昨日の朝、またP(ばーちゃん)から電話がかかってきた。

何やらとても元気そうなP。
長くなりそうな予感がする。
そして電話を切ったのは1時間後になるのだが、序盤からソファーでウトウトしだしてしまう。


P「あれ?寝てるの!?」
すぐに見やぶるP!
相槌は決しておろそかにしてはいけないのだ。

私「いやいや、寝てないよ(笑) 続きどうぞ

最近、Pからの電話に対して真摯さに欠けるオレだ。反省しよう。

電話をしながらコーヒーを入れて眠気を覚まそうとしたのだが、予想外にPの話が面白くなってきたので助かった!

孫としての体面を失わずに済んだオレだ。良かった。


前置きが長くなりましたが、そのPの話をここに記します。

ばーちゃん(P)は一軒家に住んでいますが、その隣は単身者用のアパート。
Pの家の裏庭とアパートの1階住人のベランダは石のブロック壁で仕切られています。

アパートの一階住人は、干してある洗濯物から推測すると男性。
頻繁に布団やシーツも干されており、結構マメな人かと思いきや・・・

その住人、洗濯物の服にもシーツにもタオルにも、全く洗濯ばさみを使わないらしい

シャツはハンガーにかけるだけでボタンを留めない。
タオルも洗濯竿にかけるだけで洗濯ばさみで留めない。

そんなんだから、いつも洗濯物が地面に落ちているし、
Pの裏庭に洗濯物が飛んでくることもよくあるらしいのです。

Pは自分の敷地に飛んできた洗濯物を、今まではアパートと仕切られた石壁の上に置いておいたらしいです。(石壁はそんなに背が高くない)

しかしある時、Pはナイスな解決方法を思いついたらしい。

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石壁の上に大小の洗濯ばさみを置いておき、アパートの住人に使ってもらおうという作戦。

親切なんだか、余計なお世話なんだか・・・。
こういう時はアパートの管理人さんに報告し、その住人に注意してもらうのが一般的な道筋だと思うのですが、Pの頭の中に「管理人」の存在はないらしい。

私がその住人だったら、ある日突然に石壁に並んだ洗濯ばさみを見て

「怖っ!!」
と恐怖しか感じないと思います。

しかし!

何とその住人!

使ったーーーー!!!(笑)(笑)

洗濯ばさみを置いてあげた次の日から、住人はそれらを使って干し始めたらしい。


私はこの話を聞いておったまげたのですが、Pからしてみれば当然のことのようで全く驚いていません。
これは本題の前置きで、話したいことはもっと先にある様子。

お互いに顔を知らない者同士。
しかもアパートの住人からしたら、洗濯ばさみを置いたのは隣の家の人かどうかも分からないはず。

なにこの関係!?(笑)
Pも凄いけど、住人もなかなかやるな。

そして、ここからが本題。

先日の朝、家の前を掃き掃除していたPは隣のアパートの壁の異変に気付く。

なんと壁に血のしみが広がっている!
その下にはスマートフォンが落ちている!


P「事件だわ!!」

と、ご近所さんと一緒に警察に電話。

警察「現場確認するので、我々の到着までスマートフォンの位置など動かさないでください」

P「分かったわ!早く来て!」

警察の到着を待っていると、
アパートの玄関から一人の青年がのっそりとでてきた。

そして何食わぬ顔で、落ちていたスマートフォンを拾おうと手を伸ばす。

P「触らないで!!今警察に電話したんだから!それは事件の証拠なのよ!」

青年「いや・・・これ僕の何ですけど。そこの部屋に住んでるんで。」

青年が指さした部屋は、なんとPの裏庭に接するあの部屋!
思わぬところで「洗濯ばさみ使わない住人」の正体が判明。

P「!!?じゃあこの血もあなたのなの?」

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青年に話を聞くと、この朝の前の晩に焼き鳥屋でお酒を飲んでおり、泥酔したもよう。
帰宅した記憶はなく、朝起きたら枕が血だらけでスマートフォンがなかったと。

酔っぱらって帰宅した際に、アパートの外壁に頭をしこたまぶつけたのでしょう。
そのショックでポケットからスマホが落ちたと・・・。


いや待て!!
血がべっとりつくほどのケガなのに、よく部屋に戻れたな!
よく枕を使ってぐっすり眠る余裕があったな!


しかもこの青年、なんとスマホを拾ってそのまま会社に出勤しようとしていたらしい!

P「駄目よ!もうすぐ警察がくるんだから」

と引き留めるP。

青年「じゃあ、一度会社に出社して報告してから戻ってきてもいいですか。近いんで。」

マイペース!!

P「会社には電話すればいいでしょう。それより病院行きなさい!!」

ばーちゃん、その通り。

そこで警察が到着。
警察は事件でない様子に安堵しつつも、青年に色々質問。
警察も青年に病院に行くよう促したそうです。


こんなユニークな隣人を持つとはさすがPだな。
面白くもない日常にこんなきらめきがあるなんて(笑)

青年とPの化学反応だわ


いや、でも頭の打ちどころが悪かったら笑い話じゃ済まないですよね

P「まあ、驚いたけどさあ~。
彼も若手のサラリーマンみたいだしね。たまにはこんなふうになるまでパーッとのんで遊ぶべきなのよ。」


・・・。
こんなふうになるまで遊ぶのは良くないと思うけどな。
理解ありすぎだろ、ばーちゃん。


いろいろと、自分のなかで信じていた常識が揺らいできて不安になる話でした。

そして洗濯ばさみの件は種明かししないままなのか・・・。



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